平田登記測量事務所にインタビュー!心理カウンセリングで境界トラブルを未然に防ぐ

世の中には、境界にまつわるトラブルが数多くあります。

そんな時に頼りになるのが土地家屋調査士さんですが、一体どのような仕事をしているのかわからない人も多いのではないでしょうか。

今回は、東京都練馬区で創業15年目を迎える平田登記測量事務所様に行ってまいりました。

測量作業・図面作成・登記申請などのペーパーワーク等を精力的にこなす代表の平田真義(ひらたまさよし)さんは、何と心理カウンセラーの資格も持っています!

心理カウンセリングのテクニックを土地家屋調査士の仕事にも活かしているとのことですが、その実態や将来的なビジョンなどをじっくりと伺ってきました。

1.平田代表が土地家屋調査士を目指したキッカケは何ですか?

平田代表:高校を卒業して宝飾関係の専門学校に進み、2年間貴金属の加工などを学んだ後に大手ジュエリー会社の関連企業に入社しました。

主にエンゲージリングなどの加工・修理を20代半ばまで担当していましたが、座りっ放しの仕事だったため腰を痛めてしまいました。

ちょうどバブル景気がはじけた時期であり、宝飾業界の先行きに不安を覚えていたことから、折からの資格ブームに乗って「何か資格を取得しよう」と考えました。

何の資格を取得するか迷いましたが、小さなころから地図を見ることが好きだったため、「測量士補」の資格に挑戦しようと決心し、独学で勉強を始めました。

貴金属の仕事をしながらの勉強でしたので辛かったですが、無事「測量士補」の試験に合格することができました。

「測量士補」の資格を取得した私は土地家屋調査士事務所に転職し、そこで「土地家屋調査士」という資格があることを初めて知ったのです。

—-具体的に「土地家屋調査士」の仕事とはどのようなものですか?

平田代表:土地の境界を確認し、面積や所有者などを正確に調べて登記する仕事です。

その他、建物の新築後に初めて行う表題登記などを行います。

—-登記は司法書士の仕事ではないのですか?

平田代表:登記というと司法書士さんの仕事というイメージがありますが、土地家屋調査士が担当する登記もあるのです(笑)

土地家屋調査士は、不動産の物理的状況を登記する「表示の登記」を反復継続して業として登記することができる唯一の資格者です。

司法書士さんは不動産の権利変動を登記する「権利の登記」が担当分野です。

—-土地家屋調査士の試験は合格率が8%~9%の難関資格ですが、勉強は大変だったのではないですか?

平田代表:仕事をしながらでしたので、やはり大変でした。

しかし、実務をこなしながら知識を吸収することは、仕事へも良い影響があり楽しかったですね(笑)

幸い、2回目の受験で合格することができました。

—-実務と学問はやはり違いますか?

平田代表:最も大きな違いは「実務は人が関わってくる」という点です。

特に土地の境界確認に関しては、コミュニケーションを図りながら承諾を得るという難しい仕事があります。

資格試験では計算方法や作図方法だけが問われますが、実務ではその前提となる境界に関してのコンセンサスを得ていかなければなりません。

実際にどのようにして境界を確定していけばよいのか…ということについては、学問では覚えられない部分です。

実務においては、人や土地家屋調査士事務所によって異なる境界の認識や既存の図面などとの整合性を取っていく必要があり、非常に困難を伴う場合もありますがこの仕事の醍醐味ともいえますね(笑)

2.独立開業の経緯について教えてください

平田代表:最初に入社した土地家屋調査士事務所は、主に建物表題登記などをメインとしており、土地に関する依頼はあまりありませんでした。

そのため激務ではなく、自分の時間が作りやすいこともあって2回目の試験で合格することができたのですが、やはり土地関係の測量がやりたくて転職しました。

次にお世話になった事務所は、司法書士事務所と土地家屋調査士事務所の合同事務所であり、主にデベロッパー・建売業者・ハウスメーカーなどのクライアントに対してワンストップで建物の表示から保存までを受託できる、というのがセールスポイントでした。

つまり、建売住宅の建物表題登記を土地家屋調査士チームが担当し、司法書士チームにバトンタッチして保存登記をする…という流れができていました。

クライアントにとってもワンストップで業務を任せられるのは大きなメリットであり、毎日が忙しかったのですが、やはり建物関係がメインで土地の測量はあまりできませんでした。

このままでは土地測量の実務が修行できない…と考えて、32歳の時に土地関係の仕事が豊富な事務所への転職を決意しました。

「ここで本格的に土地測量の修行を積む!」という意気込みでお世話になったその事務所では、ひと現場を最初から最後まで担当するという担当制を採っていたため、土地測量のすべての流れを学ぶことができました。

—-そうすると、ほとんどの仕事は確定測量ですか?

平田代表:その通りですが、マンションデベロッパーが仕入れる土地の現況を測ったり、土地有効活用のために賃貸住宅を建築する土地の現況を測ったりする現況測量も一部ありました。

しかし、土地家屋調査士は主に確定測量を担当し、現況測量は測量士が担当していたため、私はさほど現況測量を行いませんでした。

—-その違いとは何ですか?

平田代表:分筆登記や地積更正登記など登記が絡む測量は、原則土地家屋調査士が境界確認をして地積測量図を作成しなければならないためです。

—-独立開業したのはいつですか?

平田代表:最後の土地家屋調査士事務所に2年間お世話になり、土地関係の測量の修行を積むことができたため、2005年(平成17年)に独立開業を決意しました。

幸い、それまでお付き合いのあった不動産業者さんや司法書士さんなどが仕事を依頼してくれて、非常に助けられました。

—-その後も順調に仕事は受託できたのですか?

平田代表:そうですね、割と順調に仕事をいただけてきました。

全体的には、不動産業者さん5:司法書士さん4:地主さんなどの個人1くらいの比率です。

司法書士さんからの依頼が多いのは、合同事務所にいた経験が活きており、司法書士さんからの質問やリクエストに対して的確に対応できるスキルが身についているためです。

司法書士さんにとっては「痒いところに手が届く」のかもしれません(笑)

当初は埼玉県所沢市の自宅で開業したのですが、その後、所沢駅前の事務所を経て現在に至ります。

—-練馬区を選んだのはなぜですか?

平田代表:どうしても東京都に事務所を構えたいという希望があり、自宅の所沢から一番近い23区が練馬区だったためです。

3.これまでで最も印象に残っている測量のエピソードを教えてください

平田代表:相続のために千葉県流山市の土地の境界確定を依頼されたのですが、官民査定を行うために道路を挟んで反対側の土地所有者の承諾が必要でした。

その近隣関係者が全部で10人と大人数だったのですが、全員が現地で顔をそろえることができたのです。

近隣関係者の中には東京都品川区から流山市まで来てくれた方もあり、一気にその場で官民査定の書類に全員がハンコを押してくれたことは大きなメリットでした。

近隣関係者が多ければ多いほど、揉めるリスクは高くなりますし、スケジュール調整がうまくいかずに何ヶ月も現地立会いが進まないことも多々あります。

10人という多くの関係者が現地立会いに臨むことができたのは、われながらビックリしました(笑)

4.反対に、これまでで最も苦労した測量のエピソードを教えてください

平田代表:相続による分筆登記の依頼を受け、依頼者と隣地所有者と一緒に現地立会いを行うことになりました。

その時、なんと依頼者と隣地所有者が口ケンカを始めてしまったのです。

それも境界とは何の関係もないゴミ出しや生活音などの問題がケンカの原因であり、これまで何十年にもわたって蓄積していた不平・不満が爆発したのでした。

結果的にそうした不平・不満をぶちまけたことで両者ともスッキリしてしまい、測量と分筆登記は無事に済んだのですが、その場にいた私は「何とかしなければ!」という思いが空回りするばかりで何もできず、対人恐怖症のような状態に陥り精神的に病んでしまいました。

しまいにはこの仕事を続けていくことすらも嫌になってしまい、「この依頼を受けるとまた同じような目に遭うのではないか?」と疑心暗鬼になり、完全なスランプ状態でした。

事態を何とか打開したいと考えた私は、ひすいこたろうさんやマツダミヒロさんなどに代表されるコミュニケーションに関する本を読み漁りました。

すると、この方たちはいずれも「日本メンタルヘルス協会」に所属していたため、私もその門を叩いてみました。

そこで人との関わり方やコミュニケーションの取り方を学ぼうと、心理カウンセリングの勉強を始めたことで、スランプ状態を解消することができました。

5.心理カウンセラーの資格をどのように測量に活用しているのですか?

平田代表:心理カウンセリングを学んだことによって、隣地や近隣の方のお話を丁寧に聴くことができるようになりました。

アメリカの臨床心理学者であるカール・ロジャースが提唱する心理カウンセリングのテクニックに「クライアント中心療法」というものがあります。

これは「人の話を丁寧に聞くことによって、はじめてその人に寄り添うことができ、その人の心のケアができる」というテクニックです。

このテクニックを学んだことによって、それまで他人の不平・不満話を聴くことがしんどく非常辛かったのですが、そこを紐解いていって本質を理解することができるようになりました。

具体的には、境界に関すること以外に人との関わりを持つようになり、近所付き合いにおける不平・不満を聴くことによってその方との距離感が近づきます。

そうした相手をわかろうとする姿勢が良好なコミュニケーションを生み、結果的に境界確認につながりやすくなっています。

—-今でしたら、地権者同士の口ケンカにも対応できていましたね(笑)

平田代表:そう思います。

その両者と少し距離を置いて静観し、どちらが悪いかなどのジャッジをすることなく、適正な対応ができていたでしょう。

そうした場合は放っておくのがベストであり、「何とかしなきゃ!」と思うこと自体が間違っていたのです。

6.今後のビジョンについて教えてください

平田代表:土地家屋調査士という仕事はマイナーな仕事からか(笑)、新しくこの仕事に就いても辞めてしまう人が多くいます。

私は、その理由を「私のように近隣問題で心に闇を抱えてしまい、嫌になってしまうのではないか」と分析しました。

そのため、その問題で苦労した私が同業者の心のケアをするのがよいのでは、と考えています。

特に今の若い世代の方々は、小さな頃にファミコンなどのゲームが遊びの中心だったために、人との関わりが薄い世代だと感じています。

境界確定に関しては、人とのコミュニケーションを良好に図ることが必要不可欠なスキルであるため、コミュニケーションスキルをあまり持たない世代の方々が苦労するのは当然なのでしょう。

そうした部分を私がフォローしていきたい…というビジョンを持っています。

昨年には、宮城県土地家屋調査士会において「心理学から学ぶ相隣関係」というテーマで研修を行いました。

今後は土地家屋調査士さんばかりでなく、近隣の方々とのコミュニケーションに悩んでいる不動産業者さん、建設業者さんなどを対象にセミナー等を積極的に行っていくつもりです。

近隣の方々との良好なコミュニケーションが図れる人を少しずつでも増やしていきたい…と考えています。

また、当事務所としても若い従業員を仲間に迎えて、育てていきたいと考えています。

幸い依頼も着実に増加しており、一人で対応するのも限界が近くなってきています。

同じ想いや方向性を共有できる人と仕事がしたいですね(笑)

7.最後にこの記事を読んでくれている方々へひと言お願いします

平田代表:例えば「今住んでいる土地の形状を思い浮かべることができますか?」と尋ねられた時に、パッと思い浮かべることができない人が少なくありません。

実際に所有者の方と土地の境界を確認している時に、「へー、裏の方はこうなっているのか」と発言される方は多く存在します。

少しでも土地に興味を持って、自分の土地がどのような形状をしているのか把握しておいてください。

生活する空間である建物により興味が行くのは仕方がないのですが、土地ありきで建物は建っていますので、土地家屋調査士としては土地にも目を向けていただけると嬉しいですね(笑)

—-土地や土地建物を購入する場合に気を付けることは何ですか?

平田代表:境界標の確認です!

境界標があるかどうかを必ず確認してください。

もし一部がなくても決済までに復元すればよく、まずは境界標があるかどうかを確認することが大切です。

8.インタビューを終えて…

平田代表は「境界紛争は戦争の縮図みたいなものです。国と国の領土の取り合いみたいなものですから」と話されていました。

そのため、境界をめぐるトラブルは揉めてしまうと長期化することが多く、未然に防ぐためにはいかに良好なコミュニケーションを形成できるかがカギとなります。

境界確定は相続や不動産取引には欠かせないものですので、土地家屋調査士としてのスキルが試されます。

その点、心理学のスキルも身に付けている平田代表は土地境界確定の成功率が96%を超えるとか…

土地の境界に悩まれている方は、ぜひ平田登記測量事務所に相談されてきてはいかがでしょうか。

平田代表は話していると心がほっこりする、そんな土地家屋調査士さんです!

平田登記測量事務所公式サイト

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