ZEH(ゼッチ)とは?補助金の基準・条件・メリット・デメリットを解説!

住宅を建てる相談をしている方なら、ZEH(ゼッチといいます。意味はネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのこと)という言葉の意味は大体知っているでしょう。

また建てる相談はまだでも、インターネット上でZEHという単語は見たことがあるという方は多いのではないでしょうか。

ZEHへの実質的な取り組みは2018年で3年目を迎えています。

ここではZEHという言葉が大凡はじめての方に向けて、補助金の基準・条件やメリット・デメリットを解説していきます。

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ZEH(ゼッチ)とは何?

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)については、さまざまな角度からいろんな表現がされていますが、簡単にいうと「住宅の断熱性能等を向上させ、主に太陽光発電システムなどにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指す住宅を作ろうとする取り組み」であると考えれば良いでしょう。

また喜ばしいことに、ZEH化を達成した場合には、国の予算の範囲ですが補助金も得られます。

この取り組みが実質的にスタートしたのは2015年ですが、契機になったのは2011年に起きた東日本大震災が少なからず影響していると考えられます。

それはZEHが「一次エネルギー消費量の収支がゼロとする」取り組みであることや、再生可能エネルギー(太陽光)発電を重視することからも言えています。

言葉を変えて言うなら、ZEHはこうした形に見えてき易い「設備系を重視した省エネ政策」である反面、形には現れにくい「住宅の省エネ性能面でも大幅な改善を」目指す取り組みでもあります。

ZEHにする要件は?

それでは能書きばかりがあまり長くなってはいけませんので、住宅をZEH化する要件について下記にまとめておきます。

ZEH補助金を受けられる家は申請者の自宅

ZEHの補助金を申請できる家は常時居住する申請者の自宅です。

また住宅の種別は原則「専用住宅」となり、店舗併用住宅等の場合は少し条件がつきます。

外皮性能が地域区分ごとに定められたUA値以上

難しい言葉が並びましたが、外皮性能が地域区分ごとに定められたUA値以上であることもZEHの重要な要件です。

外皮性能とは断熱性能と同義と解釈して概ね大丈夫です。

またUA値とは「外皮平均熱貫流率」ともいわれ、壁や窓、床など部位ごとに分かれたものをU値(熱貫流率)といいます。

UA値は各U値の平均値です。

ZEHでは地域区分ごとに基準となるUA値が決まっており、その基準をクリアすることがZEH化の必須要件となっています。

設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量から20%以上削減

これもZEHの重要な要件をひとつで、太陽光による削減量を除き、設計図面や仕様書から割り出されるエネルギー消費量(設計一次エネルギー消費量といいます)が、平均的な効率で稼動する設備を動かしたとき消費されるエネルギー消費量(基準一次エネルギー消費量といいます)から20%以上削減されている場合に、ZEH化の要件が付与されます。

再生可能エネルギーシステムの導入

一般的に再生可能エネルギーシステムというとほとんどが太陽光発電システムですが、なかには地中熱利用システムで申請するケースもあるようです。

エネルギー消費が「トータル100%以上削減」されていること

ZEH住宅では、自宅で消費するエネルギー量が再生可能エネルギーシステム等で少なくとも100%以上削減されていなければなりません。

以上の5点が住宅をZEH化する要件です。

ZEHは2016年に大幅に改正!

初期のZEH(ゼッチ)は太陽光偏重型のゼロ・エネルギー・ハウスでしたが、2016年度からは初期のZEHより住宅自体の性能を上げるゼロ・エネルギー・ハウスにシフトして行きます。ここでは、2016年度に向けて行われた主要な改正ポイントを上げてみましょう。

UA値がアップした!

初期のZEHは太陽光発電偏重型のZEHでした。そのため当時のZEH物件は、ゼロ・エネルギーを達成するためだけを考えて、大きな発電パネルに偏った物件が主流でした。

2016年度からは一転して断熱性能改善にシフトしはじめ、平成25年度基準で大丈夫だったUA値が、東京都などの6地域(温暖地)でも最低でも0.60を目指すように変わりました。

なおUA値のアップは非常に結構な取り組みですが、性能にこだわるハウスビルダーにとって、現在のZEHの基準は決して高すぎるものではないことを断っておきます。

ZEHビルダーとは?

また2016年度からの変更点として、「ZEHビルダー制度」という文言が登場します。

今ではこれも当たり前のこととして認識されている方も多いことでしょうが、「ZEHビルダー制度」とは ZEHの自立的普及を促すため、2020年までに顧客に建築・提供する建物の過半数を「ZEH化」することを約束した工務店・ハウスメーカー等を「ZEHビルダー」として登録し、ZEH補助事業で補助対象とする業者を「ZEHビルダー」のみとする制度です。

つまりZEHの補助金を申請できるのは、当該住宅の建主がZEHビルダーを通して手続きを踏まなければなりません。

なお2016年以降の改正で「ZEHプランナー」という文言も出てきますが、これは業者が設計事務所の場合に用いる言葉のようです。

またZEHビルダーの一覧は、現在のところ補助金執行団体である「SII(一般社団法人|環境共創イニシアチブ)」のHP([SII:一般社団法人|環境共創イニシアチブ/トップページ](https://sii.or.jp))等で公開しています。

「Nearly ZEH」と「ZEH oriented」の違い

さらに2016年度の改正では「Nearly ZEH」という、都市部の狭小地にも対応するZEHも出て来ます。

ただ当初は「都市部の狭小地にも対応するZEH」として登場した「Nearly ZEH」ですが、平成30年度に新たに追加された定義が複数出てきたことで「Nearly ZEH」の位置づけが新たに変わりました。

どう変わったかというと、平成30年度から「都市部の狭小地にも対応するZEH」のほうは新たに「ZEH oriented」とよぶようになり、「Nearly ZEH」ではなくなります。

そして新しい「Nearly ZEH」は次のようなZEHに変わっています。

平成30年度からの「Nearly ZEH」

“ZEH基準のUA値及び一次エネルギー消費量の削減率の基準をクリアし、太陽光発電により100%未75%以上の省エネを達成する住宅。

ただし地域等の条件が、寒冷地(地域区分が1・2地域)、低日射地域(日射区分がA1・A2)、または多雪地域(垂直積雪量100cm以上)に限る”

また「都市部の狭小地にも適応されるZEH」として新たに決まった「ZEH oriented」の定義は以下の通りです。

「ZEH oriented」とは

“ZEHの定義に基づき、都市部の狭小地(北側斜線制限の対象となる用途地域であって敷地面積が85m2未満である土地)に建築される住宅。但し平屋は除きます。”

なお「ZEH oriented」では、「Nearly ZEH」が都市部の狭小地にも対応するZEHとして考えられたものですから、太陽光発電による「創エネ」は無くても良いことになっています。

「Nearly ZEH」は、現在でも2016年度の改正の状態で認識している方も多いのではないでしょうか。

混乱するかもしれませんが落ち着いて整理しておくことをおすすめします。

ZEHは2省庁(実質的には3省)でZEH普及政策を管轄。補助事業はSII (環境共創イニシアチブ)が行うことに

現在、ZEH(ゼッチ)は2省庁(実質的には3省)でZEH普及政策を管轄しています。

「2省庁(実質的には3省)」とは、環境省(経済産業省)、経済産業省(資源エネルギー庁)、国土交通省です。

ZEHは経済産業省(環境省)のみの管轄でしたが、2016年から国土交通省も加わり、経済産業省と同じような補助金の制度(現在は「地域型住宅グリーン化事業」「サステナブル建築物等先導事業」)を運営しています。

ただし国土交通省管轄のゼロ・エネルギー・ハウスは、目指す性能基準が経済産業省管轄のZEHとは基本的に異なります。

また現在のZEH基準を考えても、この先新たなZEH基準が新たに更新されると予測できます。

従って特別な事情がなければ、国土交通省管轄の分野は「そういうものがある」という認識だけで捉えて構わないでしょう。

またZEHの補助事業は、「SII(一般社団法人|環境共創イニシアチブ)」が平成28(2016)年度からZEHの補助事業の執行団体に採択されました。

よってZEHの支援事業は各省庁の仕事ですが、補助金申請を行うのは「ZEHビルダー・プランナー」と原則「SII(環境共創イニシアチブ)」とのやり取りに集約されると考えていいでしょう。

どうすればZEHになる?基準・条件は

それでは、どうすれば環境省(経済産業省)の進めるZEH(ゼッチ)住宅になるのでしょう。

以下に、基準や条件をまとめておきます。

ZEHに申請するのはZEHビルダー

ZEHはZEHビルダーやプランナーが申請時に提出する設計図書類や計算書の作成がありますから、最初はシステム化されていなければ、時間・労力がかなりかかることになるでしょう。

ただ建主レベルで困ることや面倒な労力がかかる心配はほぼありません。

また現在のZEH基準はそれほど高いものではありませんので、太陽光発電システムやHEMS「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の導入のコストを考慮できるユーザーなら、ほかの仕様は標準のままでほとんど問題はないでしょう。

もちろんポイントを加点するための設備のグレード・アップ等はあるでしょう。

ただし、UA値などの断熱仕様がZEH仕様に達していないハウスメーカーや工務店は、自社の断熱仕様を早急に見直すべきといえます。

ZEHに適合する外皮性能基準をつくる

ZEHに申請するには何をおいてもUA値が外皮性能基準をクリアしなければいけませんが、何度もいう通り今のZEHの断熱性能はクリアするのが困難なものではありません。

従って設定するUA値高く定めてみるのも良いでしょう。

おすすめはHEAT20のG1や、さらに高いグレードのG2を目標に定めてみることです。

HEAT20とは「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称で、この団体は2009年に発足しており、メンバーは研究者、住宅・建材生産者団体の有志によって構成されています。

また住宅の省エネルギー化・普及や啓蒙を図ることで、業界では一目置かれた存在です。

ちなみにHEAT20のG2の基準は、ZEHの加点ポイントにもなっている「UA値の2割強化」の基準も軽くクリアします。

よって目指してみる価値は十分あります。

一次エネルギー消費量の削減率

次に一次エネルギー消費量の基準ですが、2011年ごろの標準的な設備機器(暖冷房・換気・給湯・照明)に比べて一次エネルギーが20%以上削減されていれば、この削減基準も満たせます。

これも基本的に省エネルギー住宅や高断熱・高気密住宅を謳っているビルダー、また一般的なハウスメーカーであれば、難しく考えなくても十分達成できる基準です。

ただし、注意して欲しいのは設計部門が社内にない親方工務店には、ZEH物件を依頼するのは避けたほうが賢明です(またそのような工務店が、ZEHビルダーに登録することはほぼないと思います)。

設計部門が社内にない工務店がなぜダメかというと、そういう工務店では省エネ設備の細かな計算が不得意な場合が多いからです。

かならずダメだとは言いませんが、首尾よくZEH基準をクリアしたければ、より適切なZEHビルダーを選びましょうということです。

搭載する太陽光発電の検討

暖冷房・換気・給湯・照明の一次エネルギー消費量を賄えることが、ZEHに搭載する太陽光発電には必要です。

補助金が減額傾向にある現在は、例外を除き、搭載する太陽光発電は4kW〜5kW程度で十分だと考えます。

(ただ、10年でもとが取れるかは定かではないことを断っておきます)

また太陽光ではありませんが、ZEHは蓄電システムも補助の対象としています。

2018年度は1kWhあたり3万円、補助金の上限は補助対象経費の3分の1、ないしは30万円のいずれか低い金額です。

段階的に蓄電システムも補助も下がっています。

HEMSの検討

ZEHを進めるにはHEMS「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)の略称のこと」が必要です。

また加点ポイントを増やすにも、HEMSは重要な役割があります。

加点ポイントについて

ZEHの基準を満たしていてもスペックの高い住宅から順番に補助が決まっていくため、ZEH制度には加点できるポイント制度を導入しています。

ZEHにはいろんな加点ポイントがあり、分かりやすいものでは先程もありました「UA値の2割強化(温暖地6地域で0.6→0.48)」で10ポイント加点されるものや、エネルギー区分ごとのHEMSの計測で加点されるもの、またBELS※の活用でも加点が狙えます。

(これらを効果的に組み合わせることで、比較的高い確率で補助制度に該当すると考えます)

※BELSとは、設計一次エネルギー消費量に対し基準一次エネルギー消費量が何%かを算出し、星の数で住宅の省エネ性能を示す指標で、住宅性能評価・表示協会が制度運営しています。

BELSの最高レベルの0.8は星5つで表され、ZEH基準を満たす住宅はこの5つ星が該当します。

ZEH(ゼッチ)のメリット・デメリット

ここまで駆け足でZEH(ゼッチ)の概要をお伝えしましたが、最後にZEHのメリット・デメリットをあげておきます。

なおメリット・デメリットの前に、ZEHの現状について触れておきますと、じつはZEHの現状はそれ程芳しいものではありません。

2018年度の一次公募も600件の「初めて枠」に対して申請は169件、採択されたのは166件という結果です。また二次公募でも「初めて枠」が430件に対して申請は67件という結果に終わっています。

「その他枠」では2400件中応募が2818件ですから、この募集枠では予算を達成しています。

ところが「初めて枠」は不調を継続しています。

この結果がそのままZEHの不調とは言い切れないでしょう。

しかし好調とは言い難い要因がどこかに隠れていることは間違いありません。

ZEHのメリット・利点について

ZEHは日本国内に省エネ住宅を増やすという意味では非常に良い制度です。

ここではZEHのメリットについてあげておきましょう。

住宅のランニングコストが抑えられる

住宅を高い断熱性能にするZEH住宅は、冷暖房費や給湯、また換気や照明に掛かるランニングコストを可能な限り抑えられるように設計しています。

これは間違いなくZEHのメリットと考えていいでしょう。

高断熱な仕様の住宅が実現できる

ZEH仕様の住宅は、たとえ加点ポイントが振るわず採択を逃したとしても、ZEHの基準を満たしていれば高性能な断熱性能は実現できます。

またZEH仕様を満たしていればBELSのファイブ・スターを獲得できます。

ZEHの設計図書類はBELSにも使えるものがありますので、同時に申請しておくのがおすすめです。

ZEHのデメリット及び注意点

いっぽうZEHにはデメリットというべきことも幾つか認められます。

ZEHのデメリット及び注意点について考えてみましょう。

補助金が減額傾向にある

ZEHの補助事業は金額が年々減少傾向にあります。

ZEHスタート当初は125万円あった補助金ですが、2018年度は一戸あたり70万円までに減少しています。

これではたとえランニングコストが下がっても、太陽光システムを搭載するのも考えてしまうでしょう。

補助金は来年度もおそらく下がると思いますが、ZEHの「初めて枠」が思ったより振るわないのは補助金がここまで下がったことと無関係ではありません。

高性能住宅に必要なC値に関する記述が欠落している

ZEHは高性能な省エネルギーを実現する住宅ですが、高性能な住宅にしてはC値に関する規定が一切ありません。

これではZEHが本当に高い省エネルギー性を実現するために作られた制度なのか、太陽光を普及するための制度なのか分かりません。

高性能な省エネルギー住宅には、断熱性だけではなく気密性能も絶対に欠かせないことを、本制度を使って国民に広く認知するべきです。

ZEHは太陽光発電偏重傾向が継続している?

2016年の改正で、ZEHは住宅自体の性能を重視する考えを示したかに見えましたが、前項にある気密性を軽視するような傾向は、ZEHの太陽光発電偏重傾向がまだ継続しているようにどうしても映ります。

政府はFITの失策を、自家消費のメリットをアピールしながら蓄電池の需要を喚起し、太陽光システムのコストダウンを誘導しようということでしょうか?

それはともかく、住宅の性能を重視するユーザーは、国の省エネ政策を各視点でチェックしていることを忘れてはならないでしょう。

3省が混在するZEHは本制度をより分かりづらくしている

ZEHは3省庁が連携して運営している制度ですが、ZEHの制度に慣れていないと3省が混在する本制度の理解をより難しいものにしていると考えられます。

ZEHのような制度は、誰でも進んで参加したくなるシンプルさが最も肝要です。

少なくとも3省が混在している現時点でのZEHは、理解しやすさという点で高得点はあげられないでしょう。

まとめ

ZEH(ゼッチ)の取り組みは評価できることも多いのですが、国民が真に望んでいることはリアルな省エネ住宅で生活できる快適感・充足感だと考えます。

ZEHの取り組みがもっと分かりやすく、誰でもチャレンジできるシンプルな仕組みづくりこそ重要です。

今後もZEHが誰にでも理解しやすい、シンプルな仕組みになることを願っています。

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