マンション購入時の注意点10選!新築・中古別に購入ポイントを解説!

「マンションを購入するなら今だ!」

住宅ローンの低金利が続く中、こうした声をよく聞きます。

しかし、実際にマンションを購入する場合には、新築マンションには新築マンションの、中古マンションには中古マンションの注意すべきポイントがあります。

そこで今回は、マンションを購入する際に、特に注意したい10のポイントについて、新築・中古別に徹底解説します!

後悔や失敗のないマンション購入を行うために、皆さんがきになるポイントについてせひチェックしてみてください。

ポイント1:【新築】新築マンションが高額な本当の理由を理解しよう

新築マンションと中古マンションの供給戸数からわかること

まずは、2018年度の首都圏における新築マンションと中古マンションの供給戸数(中古は新規登録戸数)を見てみましょう。

<首都圏の新築マンションと中古マンションの供給戸数>

引用元:株式会社不動産経済研究所 首都圏マンション市場動向2018年(年間のまとめ)より
引用元:公益財団法人東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2018年)より

上のグラフより、新築マンションの供給戸数と比較して中古マンションの流通戸数は、3~6倍の戸数となっていることがわかります。

新築マンションの定義は、

・過去に誰も入居したことがない(未入居物件)
・建物が竣工してから1年未満

の2点をいずれも満たしている物件であることと「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」の第2条第2項に定められています。

(定義)
第二条 この法律において「住宅」とは、人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分(人の居住の用以外の用に供する家屋の部分との共用に供する部分を含む。)をいう。
2 この法律において「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう。
3 この法律において「日本住宅性能表示基準」とは、住宅の性能に関し表示すべき事項及びその表示の方法の基準であって、次条の規定により定められたものをいう。
4 この法律において「住宅購入者等」とは、住宅の購入若しくは住宅の建設工事の注文をし、若しくはしようとする者又は購入され、若しくは建設された住宅に居住をし、若しくはしようとする者をいう。
引用元:総務省行政管理局運営 e-Gov 電子政府の総合窓口 より

たとえ、竣工して1年未満であっても誰かが入居したことがあれば新築マンションではありませんし、竣工して1年以上経過したマンションも新築マンションではありません。

つまり、竣工して1年未満かつ未入居物件であれば新築マンションと呼ぶことができますが、それ以外はすべて中古マンションということになります。

中古マンションは取り壊されたりしなければ年々増えていくと考えられますが、新築マンションは空き地などの遊休地が減少していることから開発用地が不足し、特に都心部を中心とした都市部では今後の供給は減っていくと考えられています。

少ない開発用地を各デベロッパー(マンション開発会社)が競って取得しようとするため、土地の取得価格が上がり、その原価が販売価格に転嫁されますので、新築マンションの価格が高くなるのです。

新築マンションと中古マンションの成約価格からわかること

次に、2018年度の首都圏における新築マンションと中古マンションの成約価格を見てみましょう。

<首都圏の新築マンションと中古マンションの成約価格>

引用元:株式会社不動産経済研究所 首都圏マンション市場動向2018年(年間のまとめ)より
引用元:公益財団法人東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2018年)より

上のグラフから、特に東京23区内での新築マンションの成約価格は7,000万円を超える高水準となっており、エリアごとの成約価格も約1.5~2倍程度新築マンションの方が高くなっていることがわかります。

つまり、中古マンションは新築マンションより4~5割程度安く購入することができます。

続いて、2014年から2018年にかけての首都圏の全体の新築マンション、中古マンションの1平方メートル当たりの成約単価も確認してみましょう。

<首都圏の新築マンションと中古マンションの1平方メートル当たりの成約単価>

引用元:株式会社不動産経済研究所 首都圏マンション市場動向2018年(年間のまとめ)より
引用元:公益財団法人東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2018年)より

成約単価は、新築マンション・中古マンションともに上昇基調にありますが、2017年からは上昇の度合いが緩やかになっており、価格は頭打ち傾向にあると考えられています。

ただし、2019年10月に予定されている消費増税(8%→10%)の影響から、駆け込み需要などが発生すれば価格が一時的に上昇する可能性もあります。

新築マンションの価格が高い最大の要因は「新築プレミアム」

新築マンションの方が中古マンションより高くなる最大の要因は、「新築プレミアムが上乗せされている」ことにあります。

そのため、人が住んだ瞬間に「新築マンション」から「中古マンション」になることによって、評価が2~3割程度落ちるといわれています。

この「新築プレミアム」を構成しているものは、そのマンションを分譲しているデベロッパーのブランドイメージや広告費、人件費、利益などです。

ブランドイメージや広告費などの経費分は販売活動の過程で消化され、利益はデベロッパーの取り分ですので、住宅そのものの価値として残らないことになります。

特に、よくその社名を目にする大手デベロッパーは自社のブランドイメージを高めるために、広告代理店に依頼して有名俳優やアイドルグループなどのイメージキャラクターが出演するテレビCMを制作しています。

その他にも、雑誌・新聞・インターネットの有名ポータルサイト等による広告展開、モデルルームの設置などの広告宣伝費が発生しています。

また、一棟の新築マンションを開発・分譲するためには、設計事務所、建設会社、用地仕入れの担当者、販売用の営業マン、事務担当者など非常に多くの人間が関わっており、相当の人件費が発生します。

もちろん、デベロッパーが発注主として設計事務所や建設会社への支払う費用の中には、各会社の利益が含まれていますし、デベロッパーも利益を上乗せして販売しています。

このように、広告宣伝煮や人件費などの経費分や各会社の利益が「新築プレミアム」として販売価格に転嫁されており、それらはマンションの購入者が負担している…ということになります。

一方、中古マンションには「新築プレミアム」は上乗せされておらず、原則、住宅そのものの価値のみが価格に反映されています。

そのため、新築マンションより中古マンションの方が価格は割安となるのです。

マンションの価値とライフスタイルを考慮する

誤解のないように言っておきますが、この記事は新築マンションの購入を否定しているわけでは決してありません。

こうした実態や価格構成の実情を把握したうえで、自分自身のライフスタイルや優先順位と照らし合わせながら、冷静かつ後悔のないように判断するべきである、と考えています。

マンションの資産価値は、立地と建物の構造の2点にあります。

建物の寿命は、経年劣化を防ぐためにどのようなメンテナンスを行うのかによって差が出てきますが、メンテナンス技術や建築技術の向上によって、以前より延びている傾向があります。

また、近年の多くの新築マンションは最寄駅から徒歩7分以内を目安としていることもあり、立地条件も新築マンションが乱立された時代と比べてよくなっています。

つまり、立地が良く、建物の構造に問題のない新築マンションを選ぶことで、資産価値を維持することも可能ですので、購入を焦ることなく新築プレミアムを考慮することによって、自分の思惑や当初のプランと異なった方向にマンションライフが進まぬよう注意するべきなのです。

<新築マンション購入のメリット・デメリット>

ポイント2:【新築】モデルルームで確認すべきポイントとは?

新築マンションの購入を検討する場合は、ほとんどの人がモデルルームを訪れることでしょう。

モデルルームでは、営業マンの説明を受けながら、販売用のパンフレットを片手に見学します。

モデルルームには最新の住宅設備や家具などが設置されており、新しい暮らしの夢が広がる造りになっていますが、その華やかな雰囲気に惑わされてはいけません。

最新設備に惑わされないように

モデルルームは、売り手であるデベロッパーからすれば、パンフレットと同様に新築マンションを販売するためのツールであり、購入者の購入意欲を高める存在でなければなりません。

そのため、最新スペックの住宅設備やスタイリッシュな家具などが充実しており、憧れの暮らしを演出しています。

営業マンは、こうした設備類の機能性や利便性を丁寧にアピールしてくるかもしれませんが、決してこうした要素や雰囲気で購入を決めてはいけません。

設備類が充実しているのに越したことはありませんが、実際に入居してみると不要な設備も数多くあります。

断熱性や気密性に優れた建材や部材で建てられている現在の新築マンションは、冬でも室内が温かく、床暖房などはあまり利用する機会がないことも多いようです。

浴室換気乾燥機は雨の日には便利ですが、年間の雨の日の割合は2割程度であるというデータもあります。

いずれは陳腐化していくこうした設備類より、設備に頼らなくて済む工夫が設計に反映されているか、基本的な構造部分や地盤対策、配管のメンテナンス性などはどうか、といったポイントがマンションを選ぶ際により重要となるでしょう。

もちろん、設備類も重要なチェックポイントですが、優先順位としては低いといえます。

売り手主導のモデルルームになっていないか?

モデルルームを見学する場合は、モデルルームの間取りプランをよく確認しましょう。

モデルルームの間取りプランが、最もデザイン性に優れた住戸や最上階の角部屋住戸など、その新築マンションの中で戸数の少ない特殊な間取りプランの場合は注意が必要です。

つまり、モデルルームと同タイプの住戸は少ないことから、多くの人はモデルルームと違うタイプの住戸を購入することになり、モデルルーム自体が参考にならない可能性があるからです。

ドアの位置、向きや開き方、今使っている家具の配置、キッチン・洗面所・収納のスペースなど、自分が実際に住んでみた場合のイメージをしても、間取りタイプが違い過ぎれば無駄なこととなってしまいます。

たいていの場合は、最も戸数の多い標準的な間取りタイプをモデルルームに設定していますが、戸数の少ない間取りタイプがモデルルームの場合は注意しましょう。

また、モデルルームにマンション建設に必要な書類が揃えられているか、という点もチェックポイントです。

一般設計図・詳細図・構造計算書・設備設計図・外構図・仕上表・仕様書などの設計図書類がモデルルーム(または販売センター)に備えられており、見学者がいつでも自由に閲覧できるようになっていることが大切です。

「見学者からの希望があった場合のみ閲覧させる」という場合もありますが、「希望しなければ閲覧させない、または希望しても閲覧させない」といった場合は、新築マンションを分譲する会社の姿勢として適切ではなく、何かを隠しているのではないかとさえ疑ってしまいます。

そのような場合は、購入を見送った方が賢明であると考えます。

同時に、モデルルームに常駐する営業マンや担当者の知識やスキルもよく確認しましょう。

適切な社員教育がなされていない、勉強不足の社員が常駐している、といった場合も、新築マンション供給会社としての姿勢に問題があるため、見送った方が賢明です。

マンションは「どこを買うか」も大切ですが、「誰から買うか」はより大切な要素です。

マンションを購入する目的を明確にする

モデルルームを見学に行く場合には、「自分は何のためにマンションを購入するのか?」ということを明確にイメージしておいてください。

そうでないと、モデルルームの雰囲気や営業マンの営業トークにより、ついつい自分の希望や優先順位を妥協してしまう可能性があります。

そのためには、自分のライフプランや希望条件、絶対に譲れないポイントや優先順位などを家族とよく話し合って明確に決めておきましょう。

そのうえで、多くのモデルルームを見学するとよいでしょう。

いろいろな物件を見学して回っているうちに、希望条件が固まったり、優先順位などのイメージがより明確になってきたりします。

また、モデルルームにある販売住戸の表に付けられている花(バラが多い)は「予約済」という意味になります。

悪質なデベロッパーの場合、実際には売れていない住戸にバラをつけて「この物件の売れ行きは好調だ」というイメージを与えて、購入意欲をあおることがありますので注意しましょう。

その場の雰囲気や営業マンのあおりトークなどに惑わされることなく、冷静に判断することが大切です。

壁や床の厚さは必ずチェックしよう

モデルルームでは、壁や床の厚さや造りを確認しましょう。

模型として用意されているケースもありますので、ぜひ営業マンや担当者に確認してください。

床のコンクリートスラブの厚さは、上下階の騒音トラブルに直結するため重要なポイントです。

騒音の問題は、人の受け止め方やフローリングやカーペットなどの仕上げの種類によっても違いが出ますが、とりあえずはコンクリートスラブの厚さを確認します。

住宅金融支援機構の技術基準によりますと「厚さ150mm以上、またはこれと同等以上の遮音上有効な構造」と規定されていますが、最低でも200mm以上は欲しいところです。

また、壁のコンクリートの厚さも一般的には厚さ150mm以上とされていますが、最低でも180㎜~200㎜は欲しいところです。

ポイント3:【新築】憧れのタワーマンションは本当に買いか?

新築マンションの中でも、眺望やステータスの面で非常に人気のあるタワーマンションですが、本当に購入すべきなのでしょうか。

まずは、タワーマンションのメリット・デメリットや、失敗しないためのポイントについて確認してみましょう。

タワーマンションのメリット・デメリット

<タワーマンションのメリット>

・特に高層階は眺望がよい

タワーマンションの最大のメリットは、何と言っても眺望がよいことでしょう。

高層階であれば、昼間は市街地やビル群、海や山など、夜間は夜景を一望することができます。

ロケーションによっては、夏の花火大会なども楽しめるため、友人や知人を家に招いても喜ばれるでしょう。

・冬でも陽当たりがよい

近隣の建物より高い位置にあるため、冬場でも陽当たりがよいこともメリットです。

そのため、冬場は暖かく、夏も断熱効果により暑過ぎずに快適に過ごすことができ、冷暖房費用を節約することができます。

・都心部に近いエリアなど、利便性のよい立地が多い

タワーマンションは、都心部に近い利便性のよい立地に立てられるケースが多く見られます。

例えば、東京の都心部である港区、中央区などをはじめ、品川区、江東区など東京湾に面するエリアでの開発が目立ちます。

これらのエリアは「ウォーターフロント」と呼ばれており、容積率の緩和に伴って今後も工場や倉庫、旧国鉄の跡地などの再開発により、タワーマンションが供給される可能性があります。

・共用施設が充実している

タワーマンションは500戸や1,000戸を超える大規模なものが多いため、戸数の少ないマンションにはない共用施設を備えているケースがよくあります。

例えば、スポーツジム・室内プール・ラウンジ・テラスや庭園・キッズルーム・コンシェルジュのいるフロントなど、タワーマンションの住民はこれらの充実した共用施設を日常的に利用することができます。

・「タワーマンションに住む」というステータスが得られる

「タワーマンションに住む」というステータスが得られることもメリットといえるでしょう。

都心部に近い立地に建てられ、窓からは絶景を見ることができ、コンシェルジュのいるフロントなど豪華で充実した共用施設がある…

こうした質の高い暮らしを送ることが、ステータスとして感じられるポイントといえるでしょう。

・セキュリティ対策が万全で防犯性が高い

コンシェルジュなどによる24時間の防犯体制や、監視カメラなどの防犯設備が充実しており、防犯性が高いこともタワーマンションの魅力のひとつといえるでしょう。

<タワーマンションのデメリット>

・生活面で不便が生じる

マンションの管理規約で定められている場合が多いのですが、高層階になればなるほど布団や洗濯物を干すことができないため、洗濯物は衣類乾燥機や浴室換気乾燥機で、布団は布団乾燥機等で対応しなければなりません。

洗濯物や布団が干せない理由は、強風により洗濯物や布団が飛ばされて事故等が起きるのを防ぐためです。

同じ理由で、ベランダでのガーデニングなども鉢植えが飛ばされる危険性があるため、難しいでしょう。

また、買い物後の荷物運びやゴミ出しなども、高層階であればエレベーターを待つ時間や荷物やゴミを運ぶ時間がそれなりにかかり、不便と感じることもあるでしょう。

・地震や風で部屋が揺れる

大きな地震が発生した場合、高層階になるほどかなり揺れることを覚悟しなければなりません。

その揺れは、実際の震度より強く感じるため、恐怖などのストレスを覚えることがあります。

免震マンションの場合は、強風によっても揺れることを覚悟しておきましょう。

また、地震や停電等でエレベーターが止まってしまった場合は、階段での上り下りが大変です。

特に、荷物を持ちながらの自室まで登っていく場合など、けがや事故などに注意が必要です。

・あまり外出しなくなる

高層階に住んでいる場合、下へ降りて出かけることが億劫になり、あまり外出しなくなることがあります。

最近は、宅配やケータリングサービスなどが充実しており、外出しなくとも生活面での不便さが薄れているためです。

また、タワーマンション内にコンビニやスーパーなどが入っていれば、ちょっとした買い物はそこで済ませることができるため、ほとんどの時間をマンション内で過ごす人もいるようです。

この場合、大人はまだいいのですが、子育ての環境には影響が出ると考えられます。

親が外出するのが億劫であれば、子供も外に出ず室内で遊ぶことになるため、子供の成長のためには決して良いこととは言えないでしょう。

やはり、子供には公園や広場など、外で他の子どもと触れ合ってコミュニケーションや公衆道徳などを学ぶ場が必要です。

・管理費や修繕積立金が高い

充実した豪華な共用施設の運営費や人件費、修繕費や備品代などのメンテナンス費用、水光熱費など、共用部分に関する費用はさまざまありますが、これらの費用はすべて管理費から捻出されることとなるため、管理費が高額になりがちです。

修繕積立金は、将来的な大規模修繕工事や共用設備の修繕・取替工事の費用として、全世帯で負担してプールしておきます。

タワーマンションの大規模修繕工事は、まだ事例が少ないため、そのタワーマンションを建てた施工会社が担当することが一般的です。

そのため、複数の工事業者による相見積りを行って業者選定をすることができません。

たとえ、業者選定ができたとしても、工事自体の難易度も高いことから、限られた工事業者の中での選定となるため、競争原理が働かずに割高な工事費となりがちなため、修繕積立金も高くなる傾向があります。

<タワーマンションのメリット・デメリット一覧>

タワーマンション購入に失敗しないためには?

タワーマンションのメリット・デメリットが理解できましたら、タワーマンション購入のポイントを考慮したうえで、後悔や失敗のない購入をしましょう。

タワーマンションで実現したい生活とデメリットを比較・検討する

洗濯物や布団を干すことができないことを説明しましたが、その程度のことでは生活に支障がない、と判断できればタワーマンションを購入してもよいでしょう。

布団や洗濯物を干したいけれども、タワーマンションを購入したい人は、管理規約を確認のうえ低層階を購入するのもよいでしょう。

要は、自分で妥協できるポイントを明確にし、そのうえで購入の判断をすることが大切なのです。

そのためには、タワーマンションを購入したい動機やそこで実現したい生活と、タワーマンションでの自分が感じるデメリットを十分に比較・検討しましょう。

大規模修繕などのメンテナンス費用について確認しておく

大規模修繕工事は、将来的な資産価値を維持するために必要な工事であり、管理組合により策定される長期修繕計画に基づいて実施されます。

長期修繕計画では、どの工事をいつのタイミングで行うのかを細かく落とし込んでいますが、一般的にマンションの大規模修繕工事は12年周期で考えるとよいでしょう。

ただし、タワーマンションが増えてきたのは2000年代に入ってからですので、まだ大規模修繕工事の事例が少なく、長期修繕計画の策定や工事コストに関しては検証している段階といえるでしょう。

国土交通省が平成23年4月に発表した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によると、20階以上のタワーマンションの修繕積立金の目安は、専有床面積当たり206円/平方メートルとなっています。

<専有床面積当たりの修繕積立金の額>

引用元:国土交通省ホームページ マンションの修繕積立金に関するガイドライン より

例えば、専有面積80平方メートルの住戸を購入する場合、目安となる修繕積立金の平均値は206円/平方メートル×80平方メートル=16,480円/月となります。

目安の幅としては、170円/平方メートル×80平方メートル=13,600円/月から245円/平方メートル×80平方メートル=19,600円/月の間ということになります。

しかし、外壁工事をする場合に、低層階部分は普通のマンションと同様に足場を組んで行うことができますが、高層階部分は足場を組むことができないため、高層階用の特別なゴンドラを利用して行わなければならず、ガイドラインの目安である206円/平方メートルより高額な費用が必要になるといわれています。

このことは、本ガイドラインにも明記されています。

<修繕積立金の主な変動要因について>

引用元:国土交通省ホームページ マンションの修繕積立金に関するガイドライン より

購入前にこうした数字を把握したうえで、住宅ローンの支払いだけでなく管理費や修繕積立金などのランニングコストも合算したうえで、資金計画を検討しておきましょう。

また、管理費や修繕積立金について、売り手であるデベロッパーにもよく確認しておきましょう。

エレベーターに関する問題を考慮しておく

タワーマンションの高層階では、エレベーターに関する問題も考えておく必要があります。

エレベーターは高層階に住む人にとって毎日利用する設備であり、欠かせないライフラインであるといっても過言ではないためです。

日々の生活では、通勤や通学するためにエレベーターを利用しますが、すぐにエレベーターに乗れるとは限らないため、待ち時間を考慮して時間にゆとりを持って行動する必要があります。

朝のラッシュ時間には、電車ばかりでなくタワーマンションのエレベーターも混雑が予想されることを覚えておきましょう。

なお、販売パンフレットに表示されている「駅徒歩5分」などの時間は、マンションの敷地から最寄駅までの所要時間であり、エレベーターの待ち時間などは当然含まれていませんので、あらかじめ認識しておきましょう。

また、デメリットの項でも触れましたが、災害などの非常時や停電時など、エレベーターが作動しなくなれば、非常階段を利用しなければなりません。

高層階まで階段で上ること、または下りることになった場合を想定して、対応を考えておくことが大切です。

最近では、タワーマンションで防災対策のために非常用エレベーターを採用しているタワーマンションもあります。

こうしたトレンドなども理解しておき、デベロッパーの話をよく聞いてみましょう。

ポイント4:【新築】内覧会に注意しよう

内覧会とは?

新築マンションは、竣工前のいわゆる「青田高い」をすることが一般的です。

「青田買い」とは、建物が完成していないにもかかわらずに、売買契約を締結して購入することです。

この場合、購入者にとって「内覧会」が購入したマンションの実物を初めて見られる機会となりますので大変重要です。

「内覧会」では、売り手であるデベロッパーや施工した建設会社などが立会いのもと、自分が購入した実際の住戸を購入者が見学し、各設備機器類の使い方の説明や動作確認から始まって、各居室を回りながら傷や汚れ、施工精度の確認、ドアや扉の建付け、サッシの動作確認、床鳴り、各部の仕上がりなど、気になる個所を細かくチェックします。

チェックして気づいた点は「内覧会シート」というチェック表に記入し、売り手側に対応してもらうこととなります。

その他、フロントやラウンジ、ジムなどの各種共用施設・エントランスドアの開け方・宅配ボックスの位置・駐車場、駐輪場などの共用部分の説明を受けます。

所要時間は、トータルして2時間程度を考えておくとよいでしょう。

内覧会で大事なチェックポイント

内覧会で大事なチェックポイントは、いわゆる傷や汚れなどではありません。

新築マンションは工業製品ではないため、多少の傷や汚れはどうしても不可避であり、防ぐことは難しいのです。

傷や汚れよりもっと時間をかけてチェックすべきポイントとは、

・設計図面(間取り図)と実際の施工状態は相違していないか
・床や壁が水平もしくは垂直などの精度が保たれているか
・建具や水栓などは正常に動くか
・給排水管や給排水設備などから水漏れはしていないか
・スイッチやコンセントの数や位置、取り付け状態は正常か
・エアコンや換気扇は正常に作動しているか
・棚や収納などが正常に取り付けられているか
・取り付け物の固定状態は問題ないか

などがあります。

気になるひどい汚れや傷もチェックポイントではありますが、それより構造的な欠陥や機能面の不具合がないかをより重要なポイントとして注意深くチェックする必要があります。

発見した不具合箇所については、デジカメやビデオで確認のため撮影しておき、チェックリストに箇所や内容を記入します。

そのうえで、デベロッパーや施工会社によって修繕が行われれば再度内覧してチェックし、改善されていればOKとなります。

内覧会で指摘した不具合箇所については、残金決済後は原則的に売主側に責任を問えなくなりますので、きちんと確認できるまでは何度でも指摘・交渉することが大切です。

実際は、内覧会での重要なポイントは上記のポイントの他にも多数あり、一般の人ではチェックしきれないのが現状です。

最近では「ホームインスペクター(住宅診断士)」という住宅に精通した専門家がおり、マンションの内覧会同行などのサービスを行っています。

そのため、こうした専門家を上手に活用して、不安を取り除くことも新築タワーマンション購入に失敗しないためのひとつの方法です。

内覧会に持っていきたいツール

内覧会当日に持っていきたいツールなどを紹介します。

・住戸の設計図面(あるいは間取り図)

間取りや寸法、コンセント・スイッチ・の取り付け位置などが相違していないか、チェックします。

・メジャー

施工面の寸法を測ったり、家具やカーテンの配置のために採寸したりします。

・水平器や三角定規

床や壁、棚や収納、建具の取り付けなど、正確に水平をチェックするために用意しましょう。

三角定規も持参すれば直角を活用して垂直の確認もできます。

・脚立

高い位置の者を確認するために持参しましょう。小さいもので大丈夫です。

・手鏡

正面から確認できない部分を確認することができます。

・懐中電灯

収納の奥や部屋の隅、床下や天井裏をチェックする場合に使用します。

・デジカメやビデオ

指摘箇所を記録するために使用します。

・タオル類

水やお湯を実際に通水して、給排水設備のチェックを行った際の水気を拭き取ります。

・スリッパ

たいていはデベロッパーが用意してくれますが、念のため確認しましょう。

ポイント5:【中古】販売図面(マイソク)を隅から隅までチェックする

マイソクには大事なことほど小さな文字で書いてある

中古マンションを探す時に、インターネットなどで物件情報を目にしたら、その物件を扱っている不動産会社に出向くでしょう。

そこでは、業界用語でいう「マイソク」といわれる販売図面を渡されます。

マイソクは、不動産会社ごとの基本フォーマットがさまざまあり、各社のセンスが問われるところです。

内容に関しては不動産取引のルールに則って作成されており、インターネットやチラシ広告などの内容もマイソクに記載されている情報がもととなっています。

マイソクを見る場合に、最も注意するべきポイントは「小さな字でギッシリと書かれた部分」です。

そこには物件の重要な情報が詰まっているため、ただ読んで確認するだけではなく、徹底的に腑に落ちるまでその意味を調べることが大切です。

不動産会社はおいしい話や条件を持ちかけて、あの手この手で購入意欲をあおっているのかもしれません。

表面的なことに飛びつかずに、マンションの本質を見極めて購入の意思決定をしなければなりません。

中古マンションのマイソクの見方を知る

ここでは、実際の中古マンションのマイソク事例を参考にしながら、具体的なマイソクの見方やチェックポイントについて確認していきましょう。

<中古マンションの販売図面の事例>

A:価格

ここに記載されている価格は、あくまでも売主の「売却希望価格」です。

条件や交渉によっては値引きに対応してくれる可能性がありますので、不動産会社とよく相談しましょう。

また、売主が個人の場合は建物分の消費税は非課税であり、売主が法人の場合は消費税込の価格が表示されることが一般的です。

B:交通

路線や最寄駅、最寄駅からの徒歩での所要時間が表記されます。

徒歩の所要時間については、1分=80メートルが不動産広告の表示ルールとなっていますが、自分なりの歩行速度で換算してみましょう。

また、信号待ちや坂道などは考慮されていませんので注意が必要です。

購入前に、必ず自分の足でマンションから最寄駅まで実際に歩いてみましょう。

C:物件名(部屋番号)

物件名(マンション名)に部屋番号も一緒に表記されるケースもありますが、物件名だけや部屋の所在階だけが表記されることもあります。

D:物件写真

主に外観・エントランス・フロント・部屋からの眺望・内観(リビングや洗面所・浴室など)の写真が掲載されます。

写真が掲載されている場合は、マイソクはカラー印刷であることが多いです。

写真が1枚も掲載されていないようなマイソクの場合は、その不動産会社の物件に対する熱意があまり感じられませんので、注意しましょう。

E:キャッチコピー

キャッチコピーには、その物件の一番のセールスポイントが表記されています。

キャッチコピーは、良いことばかりが書かれていてアテにできないイメージがあるかもしれませんが、基本的には信用して差し支えありません。

例えば、「眺望良好」と書かれていない場合には、あまり眺望がよくないと考えてよいでしょう。

キャッチコピーをざっくりと見て、物件の優先順位を付けていくのもひとつの方法です。

なお、キャッチコピーに書かれているセールスポイントは、写真とリンクしていることが多いです(この事例では運河を臨む眺望部分)。

F:物件概要

この欄には、物件に関するさまざまな情報が表記されている最も重要なポイントです。

たいていのマイソクでは小さな文字で書かれていますが、ひとつひとつの情報を確認し、その意味が理解できるまで何度でも不動産会社の担当者に質問しましょう。

【土地】

・所在地:所在地は「○丁目」までしか表記されないことも多くあります。

・権利:敷地権の権利形態(所有権・借地権・定期借地権など)が記載されています。

・敷地面積:敷地面積はそのマンションの敷地全体の面積です。

・共有持分(敷地権の割合):分譲マンションの敷地は、区分所有者の共有となっており、各区分所有者が所有している敷地の共有持分を敷地権と呼びます。
敷地権は専有部分と切り離して処分することができず、専有部分と一体で売買されます。
敷地権の割合は、●●●●●●分の●●●というように分数で登記簿に記載されており、原則として、そのマンションの全ての専有部分の合計床面積を分母とし、各専有部分を分子とした割合とされています。

・用途地域:用途地域は、法律に基づきその地域で建てることができる建物の種類や規模などを制限しています。

・工業専用地域以外の12の用途地域において、住宅を建てることができます。

【建物】

・専有面積:専有面積は壁の中心線から測った「壁芯(へきしん)」の面積が主に記載されています。
壁芯面積の他にも登記面積があり、登記面積は壁の内側を測った「内法(うちのり)」の面積となっています。
そのため、登記面積は壁芯面積より若干少ない面積となります。
住宅ローン減税などの税金の特例制度は登記面積により適用されます。
マイソクの専有面積では特例の適用を受けることができるはずであったのに、実際は適用が受けられなかった…ということのないように注意しましょう。

・バルコニー・専用庭:バルコニーまたは専用庭の面積が記載されています。

・間取り:「●LDK」というように表記されます。
●の部分は居室の数、Lはリビングルーム、DKはダイニングキッチンを表しています。
ちなみに、Sは窓のない部屋であるサービスルームを表し、多くの場合が納戸として扱われています(部屋としても使えますが…)。

・構造:マンションの場合は、一般的に「RC(鉄筋コンクリート)造」です。
高層マンションの場合には「SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造」というケースもあります。

・築年月:マンションが竣工した年月です。

・分譲会社および施工会社:中古マンションの場合、当初分譲開発したデベロッパー名と建物を施工した建設会社名が記載されています。
分譲会社が確認できれば、その会社のこれまでの分譲実績や信用性を把握することができますし、施工会社もマンション施工実績などから信用性を確認することができます。
不動産仲介会社によっては、この情報が記載されていな場合もありますので、その場合は担当者に確認してみましょう。

・総戸数:そのマンション全体の戸数が記載されています。
管理形態:管理方式として、「全部委託」「一部委託」「自主管理」のいずれかが表記され、「自主管理」以外の場合は管理会社名も記載されます。
また、管理員の勤務形態として「常駐管理」「日勤」「巡回」などのうちから該当するものが表記されています。
「常駐管理」とは管理員が住み込みや24時間対応で管理業務を行うことをいい、「日勤」は管理員がマンションに通勤して一日勤務することをいい、「巡回」は1人の管理員が複数のマンションを定期的に巡回することをいいます。

・管理費・修繕積立金:1ヶ月あたりの管理費と修繕積立金の金額が記載されています。

・その他費用:管理費・修繕積立金以外に、毎月支払う必要のある費用などが記載されています。例えば、町会費・インターネット接続料などがあります。

【施設や設備】

・敷地内駐車場:敷地内駐車場の空室状況や月額利用料などが記載されています。

・エレベーター:エレベーターの有無や複数ある場合はその台数などが記載されています。

・ライフライン:電気・ガス・水道の供給会社などが記載されています。

【引渡し】

・現況:現在居住中であるのか、あるいは空室であるのかが表記されます。

・引渡し:物件をいつ引き渡すことができるのかが表記されます。

【備考】

上記以外に伝えるべき情報がある場合や追加したい情報がある場合は、備考欄に記載されます。

事故物件の場合は「告知事項あり」と記載されています。

【取引態様】

取引態様は「売主」「媒介(仲介)」「代理」のうち、該当するものが表記されます。

購入を相談している不動産会社が「売主」の場合は、仲介手数料がかかりません。

<中古マンション購入時の諸経費>

ポイント6:【中古】ヴィンテージマンションって買いなの?

ヴィンテージマンションとは?

都心などに立地しており、億ションのような高級イメージの中古マンションを「ヴィンテージマンション」と呼んでいることも多いようです。

しかし、本来の「ヴィンテージマンション」の意味とは、もちろんこれらの要素も含まれますが、「基本性能やメンテナンス性に優れ、しっかりと管理されており、築年数が経過しても資産価値が下がらずに長く住み続けることができるマンション」ということになります。

そうしたポイントをきちんと精査したうえで「このヴィンテージマンションを購入したい」と判断した場合は、「買い」といえるでしょう。

東京都渋谷区にある「広尾ガーデンヒルズ」は代表的なヴィンテージマンションといわれています。

<代表的なヴィンテージマンションの広尾ガーデンヒルズ>

広尾ガーデンヒルズは1983年(昭和58年)の建築で築35年以上経過していますが、間取り2LDKの100平方メートルの部屋が2億円で売り出されています(2019年4月現在)。

坪単価は、なんと約660万円です!

東京メトロ日比谷線「広尾」駅から徒歩5分という好立地にもかかわらず、マンションの敷地総面積が6万平方メートルを超えるという超大規模物件です。

24時間管理員常駐の管理体制や住民の管理に対する意識の高さなどから、築35年以上経過しているとは思えない建物の状態の良さや管理状態は特筆すべきものです。

ヴィンテージマンションのチェックポイント

ヴィンテージマンション購入の際には、チェックポイントを見誤ってしまうと、ただの老朽化マンションを購入することになってしまいますので注意が必要です。

具体的なチェックポイントについて説明しますので、よく検討したうえで購入の意思決定をするとよいでしょう。

修繕積立金の残高を確認する

まず、現在の修繕積立金の残高を確認します。

修繕積立金の残高の目安は、100~120万円×総戸数となります。

例えば、100戸のマンションであれば、少なくとも1億円~1億2,000万円程度の残高は欲しいところです。

大規模修繕工事を終えたばかりの物件では、残高は目減りしている可能性がありますが、その際も繰り越し分がどの程度残っているかチェックしましょう。

もし、残高が不足している場合には大規模修繕工事時に一時金の徴収、修繕積立金の値上げ、借入れ対応などの可能性があります。

これまでの修繕履歴を確認する

これまでに行っている大規模修繕などの修繕履歴を確認します。

主に次のポイントについて確認しましょう。

・エレベーターの取替を行っているか

エレベーターの耐用年数は25~30年程度ですので、エレベーターの取替工事を行っているかチェックしましょう。

多くの場合は、オーバーホールや機器類の交換で対応していると考えられますが、動力部分に限界が来ている場合もあります。

・給水タンクやポンプの取替を行っているか

通常、給水タンクは築後25年以内には取替工事を行い、給水ポンプは10~15年程度で取り替えます。

・屋上防水改修工事を行っているか

ヴィンテージマンションの場合、屋上防水はアスファルト防水コンクリート押えという高級仕様で施工されていることが多く、この場合の耐用年数は25~30年程度です。

改修する場合の工事費はやや高くなります。

・外壁タイルの状態はどうか

大規模修繕工事で目地のシーリングやサッシ窓周りのシーリングを行っているはずですが、外壁タイルの浮き調査を行っていなければ、突然タイルが剥がれるリスクがあります。

・共用部分の給排水管の取替を行っているか

共用部の給水管の劣化は赤水(錆び水)の原因となるため、築30年経過して取替を行っていない場合は注意が必要です。

また、配管が各住戸内を縦に通っていないか、配管そのものがコンクリートの埋められていないかなどもチェックしましょう。

配管がコンクリートの中に埋まっていれば、建物を壊さない限り取り替えることができません。

その場合は、「配管の寿命」=「建物の寿命」ということになってしまいますので、購入は見送った方がよいでしょう。

耐震性について確認する

耐震性については、建物が1981年に施行された「新耐震基準」に基づいて建てられているのかが大きなチェックポイントです。

もし、マンションが1981年以前の「旧耐震基準」に基づいて建てられている場合は、これまでに「耐震診断」を行って補強の要否を確認しているかをチェックしましょう。

「耐震診断」の結果、新耐震基準をクリアする耐震性が認められたマンションや、「耐震補強工事」を行って新耐震基準に適合しているマンションなどもあります。

将来的な建替計画について確認する

将来的なマンションの建替計画についても、事前に確認しておくことが大切です。

マンションの建替は住民の同意や資金計画など、ハードルの高い事業ですので、区分所有者だけでおいそれと進めることはできません。

専門家のノウハウや協力を借りながら進めることとなるため、住民の意識調査や情報共有などについてヒアリングしてみましょう。

実際に計画が進んでいる場合は、時期や負担額などについても確認するとよいでしょう。

ポイント7:【中古】本当に信頼できる不動産会社の見分け方

中古マンションを購入する場合は、不動産会社の仲介により購入するケースが一般的です。

そのため、よい中古マンションを探して後悔のない購入をするためには、不動産会社と営業マンの見極めが非常に大切です。

ここでは、その見分け方について説明します。

会社の規模は関係ない

中古マンションを扱う不動産会社には、誰もが知っている有名な大手不動産会社もあれば、地元密着で従業員も数名程度の小規模な会社もあります。

しかし、中古マンションの物件情報は、ほとんどの不動産会社が参加している「レインズ」というコンピューターネットワークシステムに登録されているため、情報共有できる仕組みが整っているのです。

そのため、大手の不動産会社であっても地元密着型の零細事業者であっても、会社の規模に関係なく同じ情報を扱うことができます。

ただし、その不動産会社の得意分野を見極める必要があります。

不動産会社には、賃貸管理が得意な会社、賃貸仲介が得意な会社、投資用不動産の売買仲介が得意な会社、建売住宅の開発が得意な会社など、さまざまな得意分野があります。

賃貸仲介が得意な会社に行っても、自分が望む中古マンションの情報は得られないでしょうし、建売住宅の開発が得意な会社に行けば新築の建売住宅を勧められてしまうかもしれません。

よい中古マンションを探したいのであれば、「中古マンションの売買仲介」が得意な不動産会社に相談しましょう。

「中古マンションの売買仲介」が得意な会社の見分け方は、次の通りです。

・ホームページをチェックする

まずは不動産会社のホームページをチェックしましょう。

現在では売買仲介を行う不動産会社は、集客のツールとしてホームページを整備することが当たり前となっています。

そのため、「ホームページがない」「見にくい」「ほとんど更新されていない」などの場合は、その会社は避けましょう。

ホームページの一番目立つ部分や最新情報の部分に、どのような物件が掲載されているかをチェックします。

中古マンションの売買物件が掲載されていれば、中古マンションの売買仲介が得意な会社と判断してよいでしょう。

賃貸物件などが掲載されている場合は、その不動産会社に相談しても無駄足となるでしょう。

・店頭に掲示されている物件チラシをチェックする

不動産会社の店頭に掲示されている物件チラシをチェックしましょう。

ホームページと同様に、一番目立つ部分にどのような物件のチラシが掲示されているかを確認します。

一番目立つところに掲示されているものが、「一番の売り」であることは間違いないためです。

会社の信用性をチェックする

会社の信用性をチェックするためには、国土交通省が運営する「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で確認してみましょう。

<建設業者・宅建業者等企業情報検索システム>

トップページから「宅地建物取引業者」をクリックし、調べたい不動産会社を検索して登録されている情報を確認します。

<業者の情報画面>

過去に行政処分歴がないかをチェックするためには、国土交通省が運営する「国土交通省ネガティブ情報等検索サイト」を利用しましょう。

<国土交通省ネガティブ情報等検索サイト>

「宅地建物取引業者」をクリックすると国土交通大臣免許の不動産会社の行政処分歴をチェックすることができ、「【参考:都道府県知事が行った監督処分情報】」をクリックすると、都道府県知事免許の不動産会社の行政処分歴をチェックすることができます。

中古マンションは営業マンで選ぶ

新築マンションを購入する場合、モデルルームや販売センターなどにパンフレットや図面集、設計図書などの情報が充実していますし、売買契約からアフターサービスまで業務の社内体制が完全に整備されているため、営業マンの実力による影響は少ないといえます。

しかし、中古マンションを購入する場合は、営業マンを重視する必要があります。

前述の通り、物件情報はレインズによってどの不動産会社でも仲介できるようになっており、購入を委託するのはどの不動産会社でもどの営業マンでもよいわけです。

誰に頼んでもよいということは、逆に言うと営業マンのレベルやスキル、人間性などによって購入者満足度に大きな違いが生まれる可能性があります。

新築マンションを購入する場合は営業マンに流されないようにする、中古マンションを購入する場合は不動産会社の姿勢や営業マンで選ぶ、ということを覚えておきましょう。

営業マンを見分けるための主なチェックポイントは、下の図の通りです。

<営業マンの見分け方のチェックポイント>

不動産会社や営業マンとの付き合い方

よい不動産会社や営業マンに恵まれれば、物件情報もマメに送られてきますし、売り手との価格交渉や条件交渉も熱心に行ってもらえるでしょう。

そのためには、購入希望者として注意するべきこともあります。

送られてきた物件情報に対しては、素早くその情報の可否と理由を伝えましょう。

相手にクイックレスポンスや根拠のある説明等を求めているのですから、自分自身もその通り対応しなければ信頼関係は築けません。

そうしたさまざま物件情報のやり取りをしながら、コミュニケーションを欠かさなければ、自分の好みや条件をより深く営業マンに理解してもらえることにより、情報の精度が上がっていきます。

「私はマンションを購入する客だ」といった意識や態度は厳禁です。

不動産会社の営業マンも人間ですので、横柄で理不尽な態度の客には少なからずネガティブな印象を持ってしまうのは当然です。

信頼できる不動産会社や営業マンと良好な人間関係を構築することは、後悔のないマンション購入という結果につながるため、すべて自分の成功のためであることを頭に置いて接しましょう。

ポイント8:【新築】【中古】そもそも賃貸と購入、どちらが得なのか?

新築マンションの購入を検討する場合でも、中古マンションの購入を検討する場合でも、「そもそも賃貸と購入、どちらが得なのかな」という疑問は誰しもが抱くと思います。

ここでは、そうした根本的な疑問について確認していきます。

「賃貸は損」って本当?

新築マンションのモデルルームでは、賃貸マンションに住んでいる購入検討者が営業マンから、

「賃貸で家賃を払い続けているのは、お金をドブに捨てているようなものですよ」
「購入した場合は、住宅ローンが終わればマンションが自分の物になります」
「一国一城の主になりませんか」

といった言葉をかけられることがあります。

言っていることに間違いはなさそうですが、本当に「賃貸は損」と決めつけてよいのでしょうか。

日本はこれまで、景気浮揚のための経済政策として「住宅購入」を促進する税制や政策を取ってきました。

国民が住宅を購入すると、同時に家具や家電、車などを買い替えるなど付帯してお金が動き、景気浮揚に一役買ってきたのです。

また、税制では「住宅ローン控除」「すまい給付金」「住宅取得等贈与の特例」など、多くの税制優遇措置があり、住宅購入をバックアップしています。

一方、賃貸に関しては、これまでオーナー側にも借主側にも特段の優遇措置は取られていません。

つまり、こうした国の経済対策が長期間続くことによって、「マイホームは購入するべきだ」という意識が創り出されてきたのです。

まずは、「家賃を支払うことはお金をドブに捨てるようなもの」といった間違った常識を改めましょう。

「家賃を支払って賃貸で住むこと」にも購入にはない一定のメリットがあり、「購入すること」にもリスクがあるということを認識しましょう。

例えば、リーマンショックのような世界的な景気の低迷が発生し、リストラ・減給・倒産などにあった時には、マンションを購入しているより賃貸で住んでいる方が素早く対応できます。

今の時代は変化が早く、長期間ローンを支払っている間に不測の事態が生じてマンションが自分の物にならないリスクなどもあるため、「マンションを購入すればすべてOK!」という時代ではないのです。

賃貸と購入、それぞれにメリット・デメリットがある

賃貸と購入、それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが良くてどちらが悪いのか優劣を決めるものではありません。

各自の収入状況や資産状況、求めるライフプランやライフスタイルなどにより、自分自身で選択する性質のものであると考えられます。

そのためには、それぞれのメリット・デメリットを理解しておく必要があります。

ここでは、それぞれの代表的なメリット・デメリットについて確認し、そのうえで自分なりの要素を加味して考えてみましょう。

<賃貸と購入それぞれのメリット・デメリット一覧表>

マンションを購入した場合には、マンションは自分の名義で登記されますが、住宅ローンを利用すれば金融機関による抵当権が設定され、住宅ローンを完済するまでは真の所有権とはいえません。

住宅ローンに縛られる面があるため、引っ越しや住み替えが容易にできず、所有している限りは固定資産税などの税金の負担や設備などのメンテナンス費用が発生します。

住宅ローンを完済すれば「資産」となりますが、購入後20~30年経過しているため、その時点での資産価値はわかりません。

あらかじめ、将来的な資産価値についても検討しておくとよいでしょう。

一方、マンションを賃貸している場合は、年収や家族形態などの変化やライフスタイルや嗜好の変化に応じて、柔軟に住み替えや引越しができることが大きなメリットといえます。

特に、年収の変化によって支払う住宅コストを調節できるということは、この変化の早い時代にリスクヘッジの観点からも大きなメリットです。

購入のリスクをあらかじめ把握しておこう

マンションを購入する場合には、4つのリスクがあることも理解しておく必要があります。

・資産価値の下落リスク

少子高齢化が顕在化している現在では、基本的に不動産の価格は下落していくといわれています。

マンションも同様であり、購入してから年数を経過するにつれて資産価値が下落するリスクがあります。

ただし、地域によっては資産価値が下がらずに逆に上昇していたり、下げ止まったりしている物件もあります(例として都心や大阪などの一部の物件)。

・金利上昇リスク

2019年現在は、アベノミクスの影響により歴史的な低金利状態が続いていますが、いずれは金利が上昇することは間違いありません。

現在の金利によって余裕のない資金計画を組んでいる場合は、将来的な支払滞納リスクを抱えているといえるでしょう。

・流動性リスク

マンションを含む不動産は、株や債券と違ってマーケットにおいて即現金化することはできません。

現金化するためには、不動産会社を選定して売却を依頼して購入客を探し、内覧や条件交渉などを経て契約締結、買い手が住宅ローンを申し込み残金決済…といった流れで進みますが、通常3ヶ月程度の期間が想定されます。

万一、購入客がなかなか見つからない場合は、半年~1年程度かかる場合も珍しくありません。

不動産会社に買い取ってもらう場合は、1~2週間程度で現金化することができますが、価格は高くても相場価格の60~70%程度となります。

・バランスシート上のリスク

ファイナンシャルプランニングの手法には、会社同様に個人の家計においてもバランスシート(貸借対照表)を作っておく、という手法がありますが、これは非常に有効な方法です。

マンションを購入した場合、大抵の人は資産の大部分が固定資産(不動産)で占めることになり、債務超過の状態に陥りやすくなります。

その場合、不測の事態が生じたときは資産をいっぺんに失うリスクを抱えています。

一度、自分自身の家計のバランスシートを作成してみることをオススメします。

<家計のバランスシートの事例>

購入後に賃貸した場合の収支をシミュレーションしておく

以上のことから、マンションを購入する場合は、ローン支払い、税金、メンテナンス費用などのランニングコストを考慮のうえ、購入する価値があるかどうかを見極めることが大切です。

それに加えて、購入後に賃貸することもシミュレーションしておきましょう。

マンションを購入して不測の事態が生じた場合、「売却する」か「賃貸する」しか手段はありません。

売却する場合には、資産価値の下落により必要とする価格で売れないこともありますし、時間がかかってしまうこともあるため、「賃貸する」という選択肢も頭に留めておきましょう。

インターネットなどで不動産ポータルサイトを見て、自分のマンションと同程度の立地、専有面積、間取り、築年数などの賃貸物件の賃料を事前に調べておきます。

万一、借り手が現れないことも想定し、10%程度割り引いた賃料も考慮します。

購入する場合は、その想定賃料と住宅ローン支払額(+管理費・修繕積立金)がバランスしているかを検証しておくことが購入のリスクヘッジにつながります。

ポイント9:【新築】【中古】間取りに注意しよう

マンションの典型的な間取りである「田の字プラン」とは?

マンションの購入を検討している人は、多くの物件の間取り図面を見ていますが、そのうちに「間取り自体はどのマンションもそれほど変わらないな…」と気付きます。

それらの間取りは「田の字プラン」と呼ばれるマンションの典型的な間取りです。

部屋の真ん中に玄関からバルコニーへ向かう廊下が通っており、廊下を中心に左右に居室とリビングを配置し、住戸の中心に水回り(キッチン・洗面所・浴室・トイレ)を配置されるケースが多く、漢字の「田」の字に似ていることからそう呼ばれています。

<田の字プランの間取り事例>

なぜ田の字プランが多いのかというと、主にレンタブル比の最大化というデベロッパー側の経済合理性や建築工事の合理性がその理由です。

レンタブル比とは「延床面積(建物一棟の延床面積)に対する専有面積(販売するすべての住戸の専有面積の合計)の割合」です。

つまり、売上になる面積の割合ということです。

レンタブル比が高いほど売れる正味の面積が多くなり、デベロッパー側は売上と利益が増えることになります。

そのため、デベロッパーはなるべく共用施設の面積を少なくしたり、エレベーターを小さくしたりするわけです。

レンタブル比が高くなれば販売の坪単価も下がるため、一見すると買い手側にもメリットがあるように感じます。

また、実際に工事が行われる床面積である施工床面積が少なければ、工事費が安くなるため、バルコニーの面積を削ったり、駐輪場を小さくしたりして、工事費を下げる努力をします。

しかし、あまりにこうした売り手側の合理性だけを追及してしまうと、住み心地や使い勝手の悪いマンションができてしまい、そうしたマンションは中古となった場合に売却しにくく、将来的な資産価値も見込めません。

田の字プランは間口より奥行きが長く、デベロッパーにとっては容積消化率やレンタブル比を上げやすく事業効率の良い間取りであるため、多くのマンションで採用されていますが、間取りが非常に限定されてしまうデメリットもあります。

<経済合理性重視と住み心地重視のプランの比較>

田の字プランでは風通しが期待できない

田の字プランは間取りが限定されてしまう他にも、風通しが期待できないというデメリットもあります。

<田の字プランの風通しの事例>

風通しには、風の入口と出口が必要です。

つまり、「入って出ていく」ことができなければ風通しは期待できません。

上の事例では、リビングや洋室から風が入った場合、外廊下側にある玄関から抜けなければ風通しは起こりません。

たとえ、外廊下側の居室に窓があったとしても、防犯上やプライバシーの問題から、その窓を開放しておくことは難しいでしょう。

たとえ玄関や外廊下側の居室の窓を開放していても、リビングと廊下をつなぐ仕切り戸を閉めてしまえば直ちに風通しはストップしてしまいます。

住戸内の風通しについて、デベロッパー側の設計や仕様の工夫がなされていない限り、田の字プランでは快適な住み心地を得ることは難しいかもしれません。

間取り選びのチェックポイントとは?

それでは、マンションを購入する場合、間取り選びには何に注意したらよいのでしょうか。

大きく3つありますので、確認していきましょう。

・ワイドスパンの間取り

風通しやプライバシーを考え、住み心地の良い間取りの代表的なプランが「ワイドスパン」の間取りです。

ワイドスパンの間取りプランであれば、リビングはもちろんのこと各居室のプランバシーを守りながら風通しを確保し、快適な住み心地を実現できます。

また、各部屋同士がくっついているため、リフォームにより自由に部屋の広さを変えることもできます。

<ワイドスパンの間取り事例>

・ボイド(Void)または両面バルコニーのある間取り

外廊下側の居室にボイド(吹抜け)がある間取りの場合、その部分が居室と外廊下との間のワンクッションとなり、窓が開けやすくなるため、風通しを確保しやすくなります。

ボイドの代わりに両面バルコニーとなっている場合も同じ効果が得られます。

また、ボイドがあるために玄関前にポーチやアルコープができ、玄関回りにゆとりの空間が生まれることもメリットといえるしょう。

<ボイドのある間取り事例>

・水回りが一ヶ所に集中している間取り

水回りが一ヶ所に集まっている間取りはリフォームがやりやすいため、よい間取りといるでしょう。

下の図の右側の事例では、リフォームをする際にリビングダイニングと和室を1室にすることは簡単ですが、それ以上のリフォームや間取り変更は、水回りが絡んでいるために手間やコストのかかる工事となります。

左側の事例にように、水回りが一ヶ所に集中していれば、その他の部分の間取り変更やリフォームは自由に行うことができます。

<水回りに着目した間取り事例>

特に中古マンションを購入する場合は、自分のライフスタイルや好みに合った間取りにリノベーションする手法が盛んに行われているため、自由な変更ができることは非常に重要なポイントです。

リノベーションの他にも、将来的な間取り変更などを考慮すれば、リフォームにより間取り変更が可能なマンションを購入した方がよいでしょう。

ポイント10:【新築】【中古】重要事項説明書のチェックポイント

最後に、売買契約を締結する前に行う重要事項説明のチェックポイントについて見ていきましょう。

重要事項説明とは?

重要事項説明とは、不動産取引において宅地建物取引業者(不動産会社)が取引当事者(購入者)に対して、契約上重要な事項に関して説明することをいいます。

重要事項説明が必要とされる取引は、宅地建物取引業者が自ら売主となっている場合、もしくは不動産取引を媒介・代理する場合であり、売買契約を締結する前に行わなければなりません。

また、説明を行うのは宅地建物取引士でなければならず、その際に説明する内容を記載して購入者に交付する書面を「重要事項説明書」といいます。

マンション購入の場合には、面積や権利形態、法令上の制限、管理に関する事項や建物の状態、取引条件に関する事項など、購入にあたってさまざまな重要事項があります。

購入を検討してきた中で確認していた情報と相違する説明や、その他の気になる事実があった場合には、納得がいくまで説明を受けましょう。

重要事項を受けるタイミングについて

重要事項説明を受けた結果、容認できない事実や不備が発覚した場合は、購入を見送る可能性もあります。

重要事項説明を受けた後、疑問点の解消や検討の時間も必要ですので、なるべく早いタイミングで重要事項説明を受けましょう。

具体的には、売買契約日の数日前に重要事項説明を受けるとよいでしょう。

売買契約当日に説明されるケースが見られますが、それですと納得できないことや疑問点を抱えたまま売買契約を締結してしまうリスクがあります。

不動産会社に「契約日より前に重要事項説明を受けたい」と申し出て、しっかりと購入の最終決断ができるようにスケジュール調整をしましょう。

また、重要事項説明を受ける前に売買契約書のひな形も確認しておき、疑問点があれば重要事項説明の時に合わせて確認します。

不動産会社には事前にその旨を話しておきましょう。

<購入申込みから売買契約締結までの流れ>

重要事項説明書のチェックポイント

それでは、特に注意すべき重要事項説明書のチェックポイントについて、具体的にサンプルを利用しながら解説していきます。

なお、不動産会社によって重要事項説明書のひな形がサンプルと違うことがありますが、項目については変わりませんので確認してください。

土地・建物および売主に関する事項チェックポイント

・建物に関する事項

専有部分の床面積は、登記簿に記載されている登記面積と専有面積(壁芯面積)では違いが生じますので注意しましょう。

住宅ローン減税などの税金の軽減措置を受けるためには、面積の要件があります。

その際の面積は登記簿に記載された登記面積となり、専有面積を見て適用できると考えていても、登記面積が要件を満たしていなければ軽減措置は受けられません。

・敷地権の目的である土地に関する事項

土地の権利形態(ここでは「敷地権の種類」が該当)が所有権なのか借地権なのか、その他にも敷地権の割合などを確認します。

・売主に関する事項

売主と所有者が一致しているのかも重要なポイントです。

一致していない場合には、備考欄に書かれるその理由について説明を受けましょう。

第三者による占有や登記簿に記載された事項に関するチェックポイント

・第三者による占有

第三者による占有とは、売主がマイホームで利用している場合は「無」となりますが、物件を賃貸している場合などは賃借人が住んでいるため「有」ということになります。

万一、占有がある場合には、物件の引渡しまでに退去できるのかを必ず確認しましょう。

・登記簿記記載された事項

ここに記載されている事項を登記簿謄本の写し(登記事項証明書)と照らし合わせて確認しましょう。

抵当権が設定されている場合は、その債権額をチェックします。

予定している売買価格と比較して抵当権の債権額が大きい場合は、抵当権の抹消が確実に行えるのかどうか確認しましょう。

また、その場合は契約時に支払う手付金をなしとする、または何らかの保全措置を講じるなどの対応が必要となる可能性があります。

また、その他の所有権以外の権利が付着している場合や共有名義の場合は、購入に際して問題や影響があるのかをしっかりと確認しましょう。

法令に基づく制限

・建築基準法に基づく制限

用途地域・地域・地区・街区・建ぺい率・容積率などについて確認します。

特に建ぺい率・容積率に関しては、建替時に同規模のマンションを建てることができるかどうかチェックしましょう。

飲用水・電気・ガスの供給施設及び排水施設の整備状況

飲用水・電気・ガスなどのインフラの整備状況について確認します。

これらのインフラは生活に必要不可欠なものですので、その整備状況や負担金の有無などについてしっかりと確認しておきましょう。

一棟の建物またはその敷地に関する権利や管理・使用に関する事項

・マンション全体の敷地に関する権利に関する事項

マンション全体の敷地の実測面積や登記面積、権利の種類、借地権の場合は地代や契約の存続期間などを確認します。

・建物の管理・使用に関する事項

共用部分の範囲や共用部分の持分の割合、専有部分内でのルールについて確認します。

ペットがいるにもかかわらず、規約ではペット不可だった…といったことがないように注意しましょう。

専用使用権に関する規約の定めなどに関する事項

建物の各種施設や付随するものなどの専用使用権に関してチェックしましょう。

管理会社や管理費・修繕積立金などに関する事項

・修繕積立金

毎月の負担額や現在の残高、マンション全体の滞納の有無と滞納額などを確認します。

・管理費

毎月の管理費、マンション全体の滞納の有無と滞納額などを確認します。

ここで、管理費・修繕積立金の滞納について少し説明します。

まず、購入予定の住戸に管理費や修繕積立金の滞納があっても、それほど心配はありません。

中古マンションの売買の場合、売買対象住戸の滞納金は売主に精算義務がありますが、基本的に決済・引渡し時に売主に支払う売買代金(残金)で精算することができるからです。

売買代金で精算し、引渡し後に新しい所有者として支払っていけばよいことです。

一方、重要事項説明書に記載されたマンション全体の滞納金が多い場合は注意が必要です。

管理費・修繕積立金の滞納額が大きければ、予定している大規模修繕工事や建物のメンテナンス等に影響を及ぼす可能性があるためです。

マンション全体の管理費・修繕積立金の滞納に関しては、十分に確認しましょう。

・管理の委託先

管理会社名や管理形態を確認します。

・建物の維持修繕の実施状況の有無

実施状況の有無を確認するとともに、修繕履歴の内容が記載された添付資料などをチェックしましょう。

アスベスト使用調査・耐震診断の内容・住宅性能評価・建築確認と日付

・石綿(アスベスト)使用調査の内容

調査結果があるかどうかをチェックします。

・耐震診断の内容

診断の有無と記録がある場合にはその内容について確認します。

建物が新耐震基準に適合している場合は、この事項は不要です。

・住宅性能評価

新築マンションの場合にチェックします。

・建築確認および検査済証の日付

中古マンションの場合、建築確認の日付が新耐震基準である1981年6月1日以降かをチェックします。

取引条件に関する事項

・売買代金および売買代金以外に授受される金銭

売買代金を確認するとともに、手付金の額や固定資産税等精算金、管理費等精算金についてもチェックしましょう。

・契約の解除に関する事項

主に、手付解除(買主は手付放棄、売主は手付の倍額を支払って契約解除できる)や契約違反による解除(売主・買主いずれかが契約違反行為をした場合に契約解除できる)、融資利用の特約による解除(買主の住宅ローンが承認されない場合に契約を白紙とすることができる)などについてチェックします。

損害賠償額の予定または違約金に関する事項

・違約金に関する事項

契約違反による契約の解除があった場合に支払う違約金の額をチェックします。

手付金等の保全措置の概要

新築マンションを購入する場合、手付金をどのようの保全するのかをチェックします。

その他重要な事項

これまでのような定められた項目以外に関することは、備考欄等に追記されています。

この欄には、「近隣の嫌悪施設」「隣接地の状況」「洪水や火災などの災害の履歴」など、知っておくべき情報やトラブルの原因となる事項が記載されることがありますので、しっかりとチェックする必要があります。

マンション購入の道のりは楽しんで

マンションを購入することは、新築マンションであっても中古マンションであっても、長くハードな道のりです。

資金の準備や資金計画、物件探し、物件の選定、不動産会社や営業マンとの関係構築、売主との交渉、契約準備、契約締結、住宅ローンの準備、決済・引渡し…さまざまな工程や過程を経て、ようやく自分のマンションが手に入ります。

そうして苦労して手に入れるからこそ、自分のマンションに愛着やくつろぎを覚えることができるのだといえます。

ぜひ、不動産会社や専門家の協力を得ながら、失敗や後悔のないマンション購入を実現してください。

成功を収めるために長い道のりですが、楽しんで歩むことも大切です!

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